芸術・芸能

2018年2月15日 (木)

二月大歌舞伎 ー 高麗屋三代襲名披露

Photo_2高麗屋三代襲名披露歌舞伎に行ってまいりました。本当は午後の部に行きたかったのですが、席が取れず、午前の部になりましたが、これがまたなかなかよく十分に堪能してきました。

久しぶりに春の兆しが見える暖かい日。ほんの二週間前に大雪が降ったとは思えません。三寒四温といいますから、これからも寒暖を繰り返しながら本物の春がやってくることでしょう。着物を着て銀座を歩いていても気分が華やぐ日でした。

演目は左のポスターにあるとおり、四つですが、印象に残ったのは新幸四郎の一條大蔵卿役、そして成田屋の家芸、歌舞伎十八番の“暫”の華やかなにぎわいぶり、そして実はあまり期待していなかった”井伊大老”。

一條大蔵卿の新幸四郎、呆けた役の呆けっぷりと理性がちらっと垣間見える瞬間の変り目が良かった。文句なく役者としての力量を伸ばしていらっしゃることがわかりました。  

そしてお祝いとして演じられた成田屋のお家芸の暫は初めて拝見しましたが、単純な勧善懲悪劇がご祝儀の舞台にはぴったりで、海老蔵の大掛かりな衣裳もこれまた必見、なんと総重量60kgとか、こんなに体力のいる仕事では役者は身体の管理が大切なことがよくわかりました。楽しいお芝居でした。

そして”井伊大老”、桜田門外の変の前日の様子を描いたものですが、吉右衛門の堂々とした直弼と雀右衛門の愛妾のからみがよく、ほろりとさせられる一場面でした。

少々チケット代がお高いのが難点ですが、年に二三度は歌舞伎を堪能したいですね。次は何にしましょうか。

今日の着物は:歌舞伎見物はちょっと華やかにと心がけています。

Photo_3きもの:小倉貞右作(東京手描友禅)

山王日枝神社の祭りを描いた華やかさのある付下げです

帯:若松文袋帯(帯の岩田)

帯締:笹波組(平田武作)

2018年2月12日 (月)

ほっと心が暖かくなる落語会ー柳家権太楼

2018_2_12ここのところ精神的にかなり重い日が続いているのですが、こんなときでも無条件に笑えるのが落語、その中でも爆笑王の異名をとっている権太楼師匠は間違いなく楽しませてくれます。今回も期待を裏切られませんでした。

師匠によればお正月も過ぎた厳寒のこの時期の落語として話される、「二番煎じ」そして小さん師匠の十八番「笠碁」、の二席を表情豊かに、演じてくれました。初めて知ったのですが柳家の「笠碁」の登場人物はお互いに幼なじみの設定、それ以外、たとえば古今亭とか金原亭馬生の笠碁での設定は商売上の仲間ということだそうで、この設定の違いが噺の違いに出るのだそうです。私は柳家系の笠碁しか聞いたことがありませんので、またの機会に他設定の噺を聞いてみてもいいなと思いました。

熱心にやり過ぎてぐったり疲れると言う「二番煎じ」はさすがの名演。師匠の表情豊かな顔と話ぶりを見ているだけで自然に笑顔になってくるという楽しい落語会でした。

そうそう、久しぶりに見るマジックの山上兄弟、随分イケメンの青年になりましたね。

今日のきものは:厳寒の時期、今日も紬が手放せません。

Photo着物:結城紬(稲葉賀恵)

帯:縞に小花模様のしゃれ袋(桝屋高尾 朱虎作)

帯締め:貝の口雲形(平田組紐)

2018年1月10日 (水)

着衣始は市馬独演会

D145f814296b56f53b6ad07cb5a8163f

暮れから家事が忙しく、労働での名誉の負傷とはなんとも情けない、左親指の関節を痛めてサポーターをする身、本年最初の着物はうまく着られるかどうか懸念していました。比較的着易い紬系の着物と名古屋帯にしていざ!となったのですが、人間はほんの少し不自由なところがあってもその不自由さが何倍にもなって返ってくるものですね、悪戦苦闘しての40分、やっと帯を結べてなんとかさまになりました。がいつものようにすっきりとは着られない、今年の着衣始はさんざんな結果になりました。

が、久しぶりの市馬師匠の独演会は素晴らしく、今年初の落語にふさわしい幕開けとなりました。一席目は「御慶」、この噺は初体験、なんでも純粋な江戸落語だそうで「御慶」という題名は小さん師匠が名付けたものらしい、一時間近くの長講、「御慶」とは「おめでたい」というあいさつらしいのですが、富くじに凝った八五郎がやっと千両をあてたあと大家から伝授された付け焼刃の知識で振舞う面白さを市馬師匠はさらりと粋に話してくれました。そして二席目がなんと十年振りにきく「片棒」、初めて市馬落語を聞いたときに「七段目」と一緒に聞き、市馬落語の面白さにはまった噺です。あれ以来聞く機会がなく残念に思っていた噺ですが、今年最初の落語会で聞くことができなんだか今年は良いことがあるような気がしてきました。市馬師匠の片棒は絶品です。会場全員笑い転げてめでたくお開きとなりました。まさに初笑いでした!

今日の着物は:着衣始ということで紬ですが少しエレガントに。

Photo_2少々映りが悪いのですが、ベージュ地に墨絵風に描かれた四季の花模様の染紬、母から譲り受けたものですので、出自は分かりません。

帯:唐花模様の染帯(小倉隆作  東京手描き友禅)

帯締めは笹波組

2017年12月14日 (木)

今年の落語はさん喬で締め

2017_12_1412月14日と言えば赤穂浪士討ち入りの日、実際には旧暦の12月14日なので1月になるのでしょうが、まあそこは置いとくとして歌舞伎も落語も12月は忠臣蔵ものが多くなります。

本日のさん喬独演会も「落語の中の忠臣蔵」と言うテーマでの開催、といっても討ち入りを落語で話すわけではありませんから忠臣蔵に関連した噺と言う方がいいのかもしれません。

二つ目の柳家さん若が「権助芝居」で、さん喬が「七段目」「中村仲蔵」でと歌舞伎に絡んだ忠臣蔵話がづづきます。間に「掛け取り」をはさんで年の暮れの雰囲気も十分。いやが応でも年末を感じさせる演目になりました。滑稽話の「七段目」も愉快でしたが、やっぱり、さん喬は「中村仲蔵」でしょう。江戸の頃、忠臣蔵五段目はお弁当の時間だったほど軽く見られていた段でしたが、中村仲蔵によって定九郎の演じ方を身なりからがらりと変えたことによって注目を浴びるようになったという役者出世のお話です、仲蔵の演ずる様子がありありと浮かびどうしても私には定九郎を中村獅童が演じているように見えて仕方ありませんでした。

相変わらずの長講で終演は午後10時、覚悟していきましたので、あわてず騒がず・・家に帰ったのは11時近くになっていました。

今日の着物は:今年の着物の着納めになります。

Photo_2今期は何を思ったか、母のお下がりを着ることが多くなりました。

生紬を小紋に染めた染紬の着物に織り名古屋帯、帯締めを綾竹組の浅蘇芳にしてみました。帯に織り込まれている模様は橘のようです。たまたまですが、実家の家紋になります。Photo_4

2017年12月 8日 (金)

丸一日お楽しみデー

お昼過ぎから夕方までは年末恒例の高島屋特選呉服販売会に台町の料亭滝川へ着物仲間三人で、夜七時からはにぎわい座へ落語を聴きに行く、という近頃では珍しい一日二か所のお楽しみ。一つに全力投球すると次の予定の頃はぐったりとなる情けないお年頃になってしまったので、近頃はダブルの予定は組まないことにしていたのですが、今回は二つとも外せないということで、頑張って、同時に適当に力を抜いて出かけてきました。

滝川は横浜では有名な料亭、お昼にいただく会席膳もおいしく、いつもありがたく頂戴しています。今回は丹波屋さん製の白地に紫と緑の模様の入ったしゃれ袋を超お値打ちの価格で手に入れました。着物や帯は洋装と比べるとお値段が張るので、こういった信用あるお値打ちの販売会で手に入れるのが一番の得策だと思っています。品質は間違いなしの良品ばかりです。今回も問屋さんとの楽しいトークを十分に楽しんでから、五時半過ぎに桜木町にあるにぎわい座へ。

2017_12_8今夜は柳家権太楼の独演会、相変わらずの盛況でほとんど席は埋まっていました。この会は比較的年配、特に男性が多いのが特徴です。
お昼から出ているので、眠気が来るのではないかと思っていたのですが、なんのなんの、相変わらずの熱演でそんな暇はありませんでした。「一人酒盛」の酔いっぷりはいつものことながらまさに一升酒でも飲んだよう、そして「井戸の茶碗」は滑稽さを交えながらの人情味あふれた熱演で知らず知らずのうちに引き込まれていました。

よく権太楼の「動」とさん喬の「静」といわれますが、まさにそうで、今の落語界をけん引していく実力者であることはまちがいないと言えそうです。

今日の着物は:仕立ておろしの墨絵模様の紬に萩紋のしゃれ袋帯

2017_12_8_002
両方とも母から譲られたものです。この紬は非常に軽く艶もあり、暖かくて着易い着物でした。

何処の紬か母から聞いていなかったので不明ですが、問屋さんにうかがったところ、かなり良いものと言うことです。墨でえがかれた四季の花の模様が良く映っていないのが残念です。

2017年11月21日 (火)

「ワンピース」 again

Shinbashi_201710ffl_ecfc4935781aae7丁度二年前に原作の漫画も何も知らずに観て感動した「ワンピース」、またまた観てきました。今回は大いに私が宣伝したためか同年代の友人たちも是非に観たいということで、わざわざ大阪と名古屋から出てきてくれました。

先に観に行ったお孫ちゃんから「大分演出が変わっていたよ」と事細かに相違点を聞いてはいましたが、なるほどなるほど随分と進化。主演でもあり、演出を手掛けている猿之助さんが予想もしない大けがで若手の尾上右近さんが代役を務めましたが、もう十分二代目ルフィと呼ばれるにふさわしい力を付けていてびっくり、動きも素晴らしく、猿之助さんと二人ルフィを当たり役の一つにできる役者になっています。

周りを囲む他の出演者もすっかりワンピースワールドに溶け込みその迫力と演技力は本当に素晴らしい、私が特に注目したいのは三役をこなした巳之助さんかな、そして可愛い市川右近ちゃん、もう孫などめろめろです。

次は進化した姿を猿之助さんのルフィで観てみたいものです。早くお元気になって舞台で暴れてくださいね。

2友人たちは新橋演舞場は初めて。開場前に記念にパチリ。しっかりお弁当を持っています。

今日の着物は:

Photo確か二年前もこのコーディネイトでした。この時期になると着たくなる着物なのかもしれません。

歌舞伎座のときより演舞場の方が着物の方も軽いものが多いようです。

着物:織疋田に絵緯の御召

帯:大江戸の祭り(東京手描き友禅 小倉貞右作)

続きを読む "「ワンピース」 again" »

2017年11月 8日 (水)

五街道雲助一門会

2017_11_8_2この一門、愉快なお名前の方ばかりですね。師匠の雲助さんの名前は天下一品、これ以上インパクトのある名前はありません。さすが、生粋の江戸っ子噺家です。しゃれが名前にまで効いています。

ちょっと凄味のある低音の嗄れ声での話しっぷりはとても男っぽい、そのためか若い娘の声まで凄味が出てしまうので、その種の話はもう一つピンときませんでしたが、ずっと以前聴いた「もう半分」が忘れられません。弟子の隅田川馬石さんは以前朝日名人会で聴いてなかなか力のある人という印象があり、今回も楽しみにして行きました。

Photo演目の中では、馬石の「湯屋番」がなかなかよく、期待通り、師匠の雲助さんは「時そば」と「夜鷹そば屋」のそば特集でしたが、特に「夜鷹そば屋」がよかった。親を知らない若者と子供を持てなかった老そば屋夫婦の掛け合いがなんともしみじみとおかしく、人情味あふれる熱演で、最後は少しうるうるっときました。

江戸の落語を聴いたと実感できる独演会でした。

今日の着物は:

Photo_2粋な落語には粋な着物でというわけではありませんが、ちょっと着こなしが難しい、縞の久米島紬、母はこの着物をちょっと小粋に着こなしていました。年齢だけはこの着物を着ていた母に追い付いたのですが、野暮天の私にはとても母のようには行きません。昨年あたりからやっと着られるようになったかな、という難しい着物です。

着物:久米島紬  帯:がまずみ模様の染帯

2017年10月21日 (土)

Lady Bess  帝劇へ

2017_10_21_001毎年恒例の妹の職場の観劇会、帝劇のミュージカルLady Bess,

今年は本人が行かれないと言うので、友達を誘って行ってきました。

帝劇はなんと「モーツアルト」以来なので、かなりのご無沙汰です。最近は歌舞伎や落語など和物に凝っていて、ミュージカルなどは招待でもされないと出かけることがありませんが、娘に誘われた劇団四季のオペラ座の怪人を春に観ていますので、今年はご縁がありました。

出演者はダブルキャストを組んであるものが何役もありましたし、役者さんの名前も知らない人が多くなり知った顔を探すのが難しいほど。涼風真世さん、山口祐一郎さんのベテランのお二人はさすが難のない演技でした。全体の場面転換のテンポもよく、飽きさせない構成で話の筋道もよくわかりました。ただ惜しむらくはマイクを使っての台詞や歌なので、特に歌は語尾が割れて聴きづらいことが多く、この程度の劇場の大きさだったらマイクなしで演じてほしいな、と思った次第。

とはいえ、台風の前の雨の一日、楽しく過ごすことができてよかったです。

今日のきものは:

Photo_2観劇に行くのだからと友人と二人示し合わせてちょっとドレスアップ。

雨で湿気が多い日だったので、縮緬系は避けて紬の訪問着で出かけました。華やかさは染めものにはかないませんがそれなりに主張のある着物に仕立て上がっています。

きもの:紬訪問着(山岸幸一作 紅想)

帯:掬い袋帯(帯の岩田  まこと織物)

帯締:貝の口雲形(平田竹峯作)

それにしても着物姿、私たち二人しか見かけませんでした。雨のせいもあるのかな・・・

2017年9月12日 (火)

廓三景  柳家さん喬独演会

2017_9好きな落語家の中でも今特にはまっているのが、さん喬師匠、恋話と廓話はぜったいに聴き逃せない。欠点はぜったいに手を抜かないから終演が遅くなる。故に独演会のある日は深夜の帰宅を覚悟して出かけます。

今回は初めて聴く「五人廻し」に「明烏」「お直し」の三席。余り長い噺はないので遅くなると言っても知れていると思い、その点は安心して出かけました。(珍しく9時半の終演、早い方です)

ちょっと滑稽な「五人廻し」、熱演でした。五人のお客をしっかりと描き分ける力量は凄い、うぶな若旦那の吉原初体験の明烏、おかしみの中に夫婦の情愛をのぞかせるお直しと廓三景をじっくり堪能できました。次の独演会は12月、やっぱり聴き逃せませんね。

今日のきものは: いよいよ本格的な秋単衣の季節になりました。数年前までは噺家は9月いっぱいくらいは絽の着物に絽の羽織が多かったのですが、今年は米團冶、さん喬のおふたりとも単衣もの、かくて私も本格的に秋の単衣になりました。

Photoきもの:単衣紬(おそらく塩沢 母のお下がりなのではっきり分かりません)

帯:紙布藍染めの名古屋帯 これも母のおさがりです。

 

続きを読む "廓三景  柳家さん喬独演会" »

2017年9月 8日 (金)

上方落語の魅力- 桂米團冶独演会

2017_9にぎわい座での独演会は毎年秋に一度。今年で私は三度目ですが、楽しみにしている会のひとつです。

上方落語はとにかく楽しい、演者によっては少々灰汁が強いかなとおもうこともありますが、米團冶師匠は品の良さが灰汁を薄めているようです。

一年振りに見る師匠はおやっというほど外見が米朝さんににてきましたね。そして芸も進歩なさっているようで、おととしより去年、去年より、今年と落語としての味が深まってきているように思います。

 

Photo_3演目は左のとおりですが、いつもは聴けない関西の落語が聴けるのが楽しみの一つです。軽業は中身がない騒がしいだけの噺ですが、と振りがあったのですが、なるほどなるほど、でもにぎやかなお囃子の中での噺ぶりはさすが上方と思わせる楽しいもの、

替り目は以前だれかで聴いたとことがあるのですが米團冶さんのは酔いっぷりが見事でこれまた楽しい演じぶり。猫の忠信にいたってはもう抱腹絶倒!大熱演でした。

来年のご来館が楽しみです。

今日のきものは:Photo_5

これくらいの気温ならば単衣で大丈夫だろうと薄物を卒業して今秋初めての単衣ものを着て行きました。ただし見えないところはまだ夏仕様、足袋は麻、長襦袢も麻、半襟はまだ絽、帯揚げも絽という塩梅です。これくらいの融通をきかせないと当世なかなか着物はきられませんものね。

きもの:白鷹御召 帯:献上博多帯(井上久人作)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー