思うこと

2017年7月10日 (月)

七月大歌舞伎 夜の部

2017_7_10_4大阪と名古屋の友人と半年前に約束して、チケットを取っておいた七月大歌舞伎。六月の発売日にはまだ麻央さんが存命でこんなに大騒ぎになると思っていなかったのが、海老蔵さん長男のかんかんちゃんがママの麻央さんが亡くなったのにもめげず史上最年少で宙乗りをするというニュースで即、チケットは完売になり、歌舞伎座は大盛況。いつもより若い世代がめだちました。

正直若いころの海老蔵さんは余り好きではありませんでした。ご自分でも「以前は他人のことなど考えたことがなかった・・」とおっしゃっていましたが、麻央さんと結婚されてからは人が変わったように人間として役者としての幅が広がり、演技にも幅が出てきたように感じていました。私と同病の麻央さんのブログを今年になってから時々拝見していましたので、亡くなった後は海老蔵さんのブログを拝見して彼の激しい喪失感や幼いお子様二人がけなげに母親の不在に耐えている様子をつぶさに見てきました。最愛の人をもう身近に見られないあの喪失感ほど辛いものはありません。悲しさと言う言葉では言い表せないもっともっと大きなもの・・毎朝襲い来るあの何とも言えない心の不安、喪失感を克服するのにはおそらくまだまだ長い年月が必要でしょう。

舞台はやはり素晴らしいものでした。かわいらしいかんかんをご自分の傍らに引きよせたときの優しい慈愛に満ちた父親のまなざしは決して彼が若いころには見せたことのないものでした。

型を決める荒事は良いけれど人情の機微を表現しないといけない世話ものはまだまだ、と言われていた市川海老蔵も麻央さんによって一皮も二皮も剥けた役者に成長したと思います。

天国の麻央さん、成田屋の女将としての役割をあなたは十分に成し遂げられましたよ。やはり、人生で一番大切な物は本物の愛ですね。

友人二人も「本当に感激した、上京してよかった」といって満足して帰って行きました。

今日のきものは:

Photoすっきりとした仙人草の模様と地色の青紫が大好きな絽の付下げ。友人たちに「涼し気に着ているわね」とほめていただきました。

加賀友禅と京友禅の両方を学ばれた吉田喜八郎さんの作品です。したがって金銀は使われておりません。

帯は絽綴れ 細見華岳さんの作品です。

帯締め:大小杉(平田組紐)

2016年11月10日 (木)

木村孝さんのこと

8日の朝、朝日新聞の訃報欄をなにげなくみていたら、どこかで見た名前がありました。

木村孝・・えっ、孝さんじゃありませんか。びっくりしました。ほんの半年前、4月29日に増上寺で行われた上品会の会場でお元気にきもののお見立てをしていらっしゃったお姿が目に浮かびました。そのときは大勢の取り巻きの方がいらしてお声をかけるのがためらわれましたので、そっと遠くからお姿を拝見するにとどまりましたが、こんなことならお声をかけておけばよかったと後悔の念が湧きました。

孝さんに初めてお会いしたのは確か2009年のお正月、横浜高島屋でおこなわれたトークショーでのことでした。高島屋の呉服マネージャーから電話を頂いて「せっかくいらしていただいたのに誰も質問しないと失礼なのでHさん、何か質問していただけますか」と頼まれました。着物のお勉強にもなることだしと快くお引き受けしました。まあ有体にいえば一種の桜の役目ですね。

このとき何を質問したのかは忘れましたが、お話を聴いているうちに次々と質問したいことが湧いてきて役目を忘れて心から楽しませていただきました。

会が終了後つと私に近寄り、「素敵なお着物ね、帯の色ととてもよくマッチしています」とおほめを頂き「実は両方とも母のおさがりなのですよ」とお答えしましたら、「お母様はおしゃれな方だったのね」と母にもおほめの言葉をいただきました。

東京で出版記念のトークをなさった時も孝さんにお会いしたくて会場に伺ったのですが、「横浜のかたですよね」としっかり覚えていて下さって感激した覚えがあります。

人間には寿命があります。満96歳という年齢は一般的には大往生と言える年齢でしょう。それでもまだまだ活躍していただきたかった。沢山着物や帯のことを教えていただきたかったという思いに駆られます。生涯現役という言葉が真にぴったりの素敵なお方でした。

                                                   合掌

2016年11月 3日 (木)

憂いの秋

訳あってここのところずっと気分が落ち込んでいます。原因ははっきりしているのですが、自分の力だけではどうにもならないこと。流れに任せるより仕方がないとわりきってはみたものの、人の心はそうは簡単には操縦できない、ならば当分はなるべく外に出て気分を紛らわすよりほかはないと思い今日は着物仲間の一人を誘って高島屋の呉服売り場へ行ってきました。丁度輪奈ビロードのコート地の展示会をやっていましたので、覗いてきました。近江、長浜特産の輪奈ビロード、今では今回展示されているタケツネという製造元だけが残っているとのことで組合をつくろうにも同業者がなく、長浜ちりめんの組合に入れてもらっているありさまだとか・・すぐにではありませんが、いづれ近いうちにいま持っているよりも地味目のコートを欲しいと思っていましたので、実物を見てのお勉強。現在手持ちのコートよりも確実に品物が良く、暖かい。自分に似合う色も見定めておきました。このコートを手に入れることができれば死ぬまで冬のコートのことは気にしないでいられる、それほど良いお品でした。

きょうの着物は:

Photoまだ本格的には寒さが来ない帯付きの季節にぴったりのお召。久しぶりに着てみるとやはり動きやすくほどほどに暖かく着物通にはお召のファンが多いのがうなずけます。濃い栗皮色に絣模様のカジュアルなお召です。

きもの:絣お召(矢代仁) 帯:晒柿地に紅型模様の染帯(丸山叡子作)

2016年7月16日 (土)

怠け心を叱咤して

不安定な天気、不安定な気温、もうもう身体がついていけなくて暇さえあればゴロリ、そんな生活を引き締めるため着物を着てお出かけしてきました。

地方にいる中学、高校時代の友人の御主人が趣味で畑を耕されて幾十年、有機で作ったお野菜をここ数年7月になると友人がどっさり送ってくださり、6人の口を養っている私としては本当に大助かり、そのお礼に毎回彼女の好物の泉屋のクッキーを贈っているのですが、身体がしんどくてほんの近くの横浜までが出られない、それならば、と着物仲間で「着物が着たい、着たい」と言っている元気な友人を誘っての外出です。怠けていても約束すれば律義な私は出かけられるのです。

元気づけに鰻でも頂きましょうか、と相談したのですが、お目当ての野田岩さんは長蛇の列、こちらはあっさりまたの機会にと諦めました。好きな着物や小物を見てそれなりに楽しい時間を持つことができました。さあ、また明日から家事を頑張らなくちゃね。

今日の着物は:

Photo白の暈かしの入った青紫の紋紗の小紋、昨年はちょっと格のある絽綴れの帯で歌舞伎にお出かけしたのですが、もっと軽く着たいと思い、手持ちの帯でなにかないかと思案した結果、上代羅ならば羅でも無地あたりまで締められると木村孝さんの本で読み、早速合せてみました。羅と一般的に言われているいわゆる粗紗の帯は金銀が使ってあるもの以外はかなりカジュアルなのですが、この帯ならば幅広く締められるようです。

きもの:紋紗(矢代仁) 帯:本羅 帯締め:蘭菊(平田組紐)

2016年1月 1日 (金)

今年もよろしくお願いいたします

また年の初めを迎えてしまいました。

あっという間の一年でした。かつて友人の母上が「年を取ると一週間が束になってかかってくるわよ」という名言(?)を残されましたが、本当にそれを実感する年になってしまいました。

今日は一月一日、うかうかしていると四月、暑い暑いといっているうちに九月、その曲がり角を曲がればまた年末がやってきます。今年こそ報いのないよい年にしたいとおもっているのですが、私の一番の不安は健康状態、なんとか術後十年を無事迎えて少し安心したいと思っているのですが、そううまくいくのでしょうか。ただ祈るのみです。

今年も大好きなきものを着て楽しいひと時を多くもてるよう、そして世界が平和でありますよう、願ってやみません。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2015年12月11日 (金)

初生り

2015_12_11_001_2左のみかん、今年の春に植えた早生ミカンの初生りです。土手に植えていたつづじが枯れてしまい、そこが獣道のようになり、野良猫が庭に無断侵入、それを防ぐために二、三本木を植えた方がいいですよ、といつもお手入れに入ってもらっている植木屋さんにいわれ、柊などと一緒に植えました。

まだまだ小さな木ですが、三つミカンの実がついたのです。「多分、酸っぱいと思いますが、もっと大きくなって日がよくあたるようになったら甘くなるかもしれません」と言われていたので期待はしていなかったのですが、昨日収穫して食堂のテーブルの上に買ってきたSサイズのミカンと一緒に置いておきました。すっぱかったらジュースにしようと思って・・

本物は写真よりもっとオレンジ、買ってきたミカンとサイズも同じ、間違えて息子が食べていました。「うん、それ庭のミカン?酸っぱくない?」「えっ、そうなの、気がつかなかった、ちょっと中の皮が厚いかな、と思ったけれど酸っぱくなくて甘いよ」そういってひと粒渡してくれました。

なるほど、なるほど甘いです。これなら毎年たのしみにして食べられます。純粋無農薬のみかん、来年はもっとたくさん実をつけてくれるといいな、と思っています。

2015年1月 1日 (木)

謹賀新年

また新たな年がまいりました。

年齢を重ねると一年一年、いや一日一日が大切な日々となってきます。それを私も実感するようになりました。

珍しく31日は紅白をじっくり観ました。若い人の曲ばかりでと敬遠していたのですが、今年はプログラムの組み方もうまくなり、そしてなにより演出が素晴らしい、サプライズ出演では以前はぜったいに出なかったような大物たちが年の功でしょうか、かたくなな態度を捨て気持ちよく日本の未来、人類の未来への応援歌を歌ってくれました。久しぶりに楽しい紅白になりました。

年明け早々に救急車のサイレンが聞こえます。実は私の体調も暮れからいまいち、健康にこの一年を過ごせますようにと祈ってやみません。

みなさまもどうぞお体に気をつけて元気に一年をお過ごしください。

楽しいことばかりに見える私のきものブログ、実は楽しいことだけを選んで書いています。楽しいことばかりの人生になるといいな、という希望を込めて・・

今年もよろしくお願いいたします。

2014年9月15日 (月)

秋鬱

急な温度の変化がもたらすものなのか、年齢的なものなのか、きっとそのどちらでもあるのでしょうが、この季節鬱々とした気分になっています。同じような年齢の友人たちにもそんな気分の人が多く見られ、話をしても何となく弾まない・・

そんなわけでなんとか元気をだそうと今日はお昼に妹と待ち合わせ高島屋の野田岩でうなぎを食しました。えらく年配のお客様が多いと思ったらそういえば今日は敬老の日。息子さんや娘さんのプレゼントかな、と思われる幸せそうな御老人が多く店内にみられました。

自前であろうとなかろうとうなぎはおいしい、家人は余り好まないので食する時はいつも妹を誘います。ほどよく脂の乗った柔らかく焼けた鰻のおいしかったこと、

その後は2時からこれまたただいま鬱々真っ最中の友人と待ち合わせ呉服売り場へ。外出するのが億劫と言っていた友人も頑張ってきもので現れました。お互いに今月初めての単衣のきものです。約1カ月ぶりのきものですが、やっぱりきものを着るとシャキット気持ちがひきしまります。さあ元気を取り戻して秋のおしゃれをたのしまなくちゃ・・

本日のきものは:

2014_9_15_002夏紬の単衣にワイン地の掬い名古屋帯、この時期本来袷の帯でもよいのですが、近頃の気温では芯入りの九寸では暑苦しい、袋名古屋が最適です。このコーディネイトはおそらく初めて。

2014年4月18日 (金)

京都旅行 番外編 ホテル その2

Photo左の写真はホテルの客室。私の泊まったお部屋はベッドがキングサイズのダブルベッドだったという違いがあるだけでだいたいこんな感じでした。 凄いでしょ、ひと部屋50㎡くらいはあるそうです。 

余りせせこましいところは好きではない質なのでそこまではよかったのですが、問題点がまずひとつ、要するに使い方が分からない、説明書が見当たらない、入室した時例の『ジョージクルーニ!」と叫ぶCMのコーヒーメーカーが目に付いたのでそれだけは案内の女性に使い方を聞いていたのですが(だいたい夜の10時過ぎにコーヒーなんて飲まないですよね、だから使わずじまい・・)広々とした洗面所は157cmPhoto_3の私には高すぎる、洗面所に椅子はない、お風呂は総ガラス張りのスケスケ、鍵もなし、(友人と相部屋でなくてよかった)お風呂の床はヒノキの香り漂うすのこが敷かれていました。このあたりはさすが高級ホテル仕様ですね。

さて、これからが問題でした・・・

お風呂はちょっと使い勝手が違うな、と感じたものの順調、「こんなガラス張りの浴室はカップルでないとだめね」と思いながらもゆったりと湯船につかって満喫、シャワーを浴びて部屋着に代え、「あっ、そうだ、トイレってどこかしら・・・・?」

「ない、ない、ない、トイレがない!」
「うそでしょ、こんなセレブなホテルのお部屋にトイレがないなんてありえない、安アパートじゃあるまいし・・」
でも、見当たらないのです。まさか、あのスケスケのバスの中?それはない。部屋中の壁を伝ってどこかにドアがないか探ってもないのです。ないと思うと妙にトイレに行きたくなるのが人の常、さすがにあせりました。「そうだ、何かあったらフロントにっていってた」 電話、電話、「うっ、フロントって何番、電話器にも載ってないよ、なに、これ、全部英語じゃない、それも小さな字!あ、もしかしたらオペレーターってのがそうかな」ところがぷ、ぷ、ぷ、と三回ほど鳴るとプツリと切れてしまう。なんどかけても駄目・・

「そうだ、外からホテルに電話して聞けばいいんだ・・」ということでわざわざ携帯からホテルに電話をしました。フロントは宿泊客が外から電話をしてきたのでちょっとびっくりした様子。「トイレの場所がわかりません、フロントにもつながりませんし・・」「すべてオペレーターを通してつなぎますので、一度電話を切ってオペレーターに電話し直してください」ああ、なんて面倒な・・

結局トイレは壁面にある大きな姿見の裏側でした。これはぜったいに分かりません。なんの目印も案内もなく、引き戸の取っ手もないのですから・・

翌朝皆がぶつぶつ言っていました。引率の団長さんすらトイレが分からず、おまけにシャワーを使おうとしたら天井からお湯が落ちてきてずぶぬれだったとか、
トイレがわからない、窓が締められない、シャワーは天井からお湯が落ちてくる・・
これは確実に説明不足ですね、旅慣れた人の多い団体ですらこの始末です。
外国人向けなのかもしれませんが、泊まるのは日本人が多いと思います。もう少し、日本人の細やかなサービス、つまりお、も、て、な、し、の精神があってよいのではと思うホテルでした。

ちなみに今回ご一緒した人たちは「もう二度と高いお金を出して泊まりたくない」という感想でした。でもお食事はイタリアンも和食も大変おいしかったですよ。

2014年4月17日 (木)

上品會 京都旅行 番外編 ホテル

Photo左の写真のホテル、どこだか分りますか?

このホテル、今回京都旅行で一泊したザ・リッツ・カールトンホテル京都です。
今年2月に開業したばかりのピッカピカのホテルです。鴨川縁にあり、外観は京都の風光をそこなわないように和を取り入れた低層の作りでなかなか良いと思ったのですが、これが、中に入ると全くの外国人向け、驚いたことに何処のホテルでも見られるロビーというものがありません。こじんまりとしたフロントが、そうですね、ちょっとしたレストランくらいの規模であるだけなのです。よくあるように待ち合わせに「リッツ・カールトンでね」と言うわけにはいかないようで、超高級ホテルをうたっているだけあってあくまで宿泊客にのみのサービスというコンセプトなのでしょうか。

京料理「木乃婦」でおいしいお料理と踊りを満喫してホテルにチェックインしたのが午後10時近く、お高いホテルだと聞いていたので、この遅い到着はなんともったいない気がしたのですが、12時に就寝するとしてその間2時間ほどはお部屋でそれなりのホテルライフを満喫するつもりでした・・が、・・・そうはいかなかったのです・・・・

まずはセキュリティがしっかりしているということで、エレベーターもお部屋のカードキイをかざしてからでないと動きません。ですから付き添いの人に送ってもらうことはできません、何故なら行きは良い良い帰りは怖い、カードキイのない宿泊者以外の人はエレベーターに乗ることができないからです。私の泊まるのは422号室。もちろん一人です。4階のエレベーター前には着物姿の女性が待っていてお部屋まで案内してくれたのまでは良いのですが、それだけ・・お部屋の説明その他は何もなく、こちらもホテルは泊まり慣れているからわかるだろうとなんの心配もなく、お部屋に入りました。ああ、ここからが悲劇の始まりでした!

つづく

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