« 2013年4月 | トップページ | 2013年6月 »

2013年5月

2013年5月30日 (木)

龍村平蔵「時」を織る。展へ

005苦手な庭の草取りに10日間も費やしたせいか、疲れがピークになり友人と約束をしていたにもかかわらず、テンションは最低。それでも気分転換にはいいだろうということで身体に鞭を打ってでかけてきました。

行った甲斐がありました。龍村美術織物は高島屋の呉服部で帯や小物をいろいろ拝見していてなじみの老舗ですし、五代目となる予定の龍村さんとは何度もお目にかかったことがあり、気安くお話しをしているのですが、本当に伝統のある凄い老舗の方なのですね、と今回の展示を見て改めて敬意を表しました。

以前、宮尾登美子作の小説「錦」を読んでいたせいか、年表を拝見しても分かりやすく、随分鑑賞の手助けになりました。五代目のお話しによるとあの小説はほとんど事実に近いものだそうです。

初代龍村平蔵は織り物を独特の陰影をたたえた立体の造形としてとらえ、新技法を次々に生み出し、芸術の域にまで高めた先駆者として有名であり、また正倉院御物の復元に力を注いだ方としても知られています。現、四代平蔵に至るまで120年、いまなお染織分野の最高峰であり続けることはものすごいことなのですね。

001左の写真は展示されていた作品の一部。能に使われる厚板からお茶の仕覆まで精密に復元された作品の数々約300点が観られます。

2013年5/24(金)~6/4(火)まで横浜高島屋8階ギャラリーで開催中

続きを読む "龍村平蔵「時」を織る。展へ" »

2013年5月18日 (土)

楚々として優雅に・・

本日夕方に高島屋さんが楊柳の付下げと絽の長襦袢を届けてくださいました。単衣や薄物は母からのお下がりがほとんどで、やわらかものは持っていませんでしたので、単衣の付下げは初めてです。楊柳はしっとりとしていて軽く涼しげですが、ふわっと軽いので袷の付下げしか着たことのない私には少し着る練習が必要なようです。

002色はピンク系にねずが入った落ちついた華やかさ、色数を少なくしてすっきりした感じに仕上がっているので、印象としては楚々として、それでいて優雅で優しげな雰囲気の着姿になりそうです(中の人間は別)。細見さんの絽綴れの帯を合わせてみたら雰囲気がぴったりでした。着物には「高野槇」という名がついていました。槇は小倉さんのライフワークだと伺いました。

小倉貞右さん東京手描き友禅の作家、若い頃には4代田畑喜八さんのところで修業されたとかで、東京友禅に京友禅の華やかさがプラスされた独特の感性をお持ちの方です、私の大好きな作家のおひとりです。

きもの:槇模様の楊柳の付下(小倉貞右作)

2013年5月16日 (木)

今日もきもので

Photo一度単衣を着てしまったらよほど涼しくならない限り後戻りは難しい、といPhoto_3

うことで今日のお出かけは単衣の本塩沢に袷用の染帯、小物も袷仕様。半襟を5月20日ごろから一ヶ月間という”きんち”に代えて季節の移り変わりを味わいました。

薄香色の地に紫の紫陽花模様の染帯はうっかりすると締める機会がないまま終わってしまうので、少し厚ぼったく感じる芯入りの帯ですが、頑張って締めて行きました。単衣と袷のコラボとなる着物端境期はどうやら本日で終わりのようです。

実は今日、やっとのことで小倉貞右さんにお願いしていた楊柳の付下げとそれに合わせた白の絽の長襦袢を受け出してきました。来月ある高校の同窓会に着て行くつもりでこしらえたきもの。三年に一度の全学年の同窓会も今回限りでおしまいということなので、よい記念になることでしょう。同窓会があるから着物を新調しましょう、という理由づけがなくなるのはちょっとやばいかな・・

きもの:本塩沢(林宗平工房) 帯:渋柿庵 帯締め(綾竹平家経巻 平田組紐)

2013年5月10日 (金)

我慢しきれず、今日から単衣-柳家さん喬独演会へ

一日空けての落語通い、今月は聴きたいものが続いてあり、外出が続いています。気温が急に夏模様になり、もう少し袷で我慢しようと言ったばかりなのですが、気温が25度以上になると聞いた途端決意は簡単に揺らぎ、用意していた袷の着物をキャンセルしてとうとう単衣に心変わり・・それでも着物以外はまだまだ袷用で、と少しだけ季節に貞節を守りました。

2013_5_10_2先月朝日名人会で初体験した柳家さん喬、友人たちからはなかなかいいよ、と以前から聞いてはいたのですが、本格的に独演会に足を運ぶのは今回が初めてです。よく権太楼と比較される方ですが、さん喬師匠は風貌から穏やかで静かな雰囲気、権太楼師匠とは好対照です。語り口も穏やかですが、ときおり、凄さも垣間見え、とても魅力ある落語になっていました。演目は「茶の湯」と「柳田格之進」、茶の湯は知ったかぶりの滑稽話、近頃落語で笑えなくなったなあ、年を取ったせいかしら、と淋しく思っていたのですが、本当に笑える時は笑えるのですね、久しぶりに心から笑えました。 そして「柳田格之進」、「さん喬のね、『柳田格之進』と『たちきり』はいいよ」と聞いていたので特に注目していた演目。どうも興が乗ると時間を気にせずというのがさん喬師匠らしいので前座や二ツ目から、帰りの電車の時間を確かめておいた方がよろしい様で・・などと前振りがあった如くたっぷりと柳田格之進を聴かせてもらいました。この噺は一度志らくで聞いたことがあり、また余り印象に残る噺でなかったのですが、今日の格之進はすごかった。茶の湯で笑い、格之進で涙ぐみ・・といった塩梅です。ほんとうにたっぷり、たっぷりの独演会でした。ちなみに終わったのは30分超過の9時半でした。またまた今日からご贔屓の噺家が一人増えました。一度大好きな「たちきり」をさん喬師匠で聴いてみたいなあ。

Photo単衣でも帯や小物は袷用を着用しましたら、やっぱり少し暑かった。今日はとりわけ暑い日だったようですが、次の外出は袷に戻るか単衣で決めるか、どうも後戻りは好きではないので単衣になりそうですね。

着物:塩沢紬の単衣(林宗平工房) 帯:牡丹模様の染帯(渋柿庵

2013年5月 8日 (水)

第二回 立川談春一門会へ

5gatu_dansyun二月に第一回の一門会を聴いた時、二ツ目の立川こはるちゃんの余りの進歩に驚き、もう一度聴きたくて今回も8、9日と二夜連続の一門会のうち、こはるちゃんの出る8日を選択。この一門会は談春師匠というより、こはるちゃんの上達ぶりを観に行くといった趣になっています。中入り後こはるちゃんの出番になり舞台に登場するや、盛大な拍手。師匠のときより大きかったような気がするのですが、気のせいでしょうか。いつも辛い採点をする友人も久しぶりに聴いたこはるちゃんの上達ぶりに驚いていました。前座の春松は「饅頭怖い」、次に談春の「大工調べ」中入り後にこはるちゃんの「粗忽の釘」そしてトリの談春の「百川」と続きます。

大工調べも粗忽の釘も最近すごくいいものを聴いた気がして記憶をたどってみたら、大工調べは権太楼、粗忽の釘は小三冶でした。談春の大工調べは調べ省略で、(大岡裁きを省く)時間の関係もあるのでしょうが、それならばその時間に収まる演目にしてほしかったというのが正直な感想、こはるちゃんの粗忽の釘はもちろん小三冶大御所と比較すべきもありませんが、テンポもよく、聴ける落語になっていました。期待にそぐわない精進ぶりで満足です。百川は演目としても談春としても初めて聴いたのですが、大工調べよりは良かったように思います。

さて、恒例の着物ですが、ここ1カ月ほど着物での外出がとみに増え、あれも着ちゃった、これも何回も着た、ということでコーディネイトに新鮮味がなくなってきました。今年はさわやか5月なので、単衣はもう少し我慢しようと思い苦肉の策のコーディネイトが増えています。意外にこれは頭を使ってぼけ防止になってよいのかもしれませんね。

Photoと言うことで本日の着物は余り春には着ない濃い地の絣お召に帯で春らしい色を添えてみました。初めてのコーディネイトになりPhoto_3ます。

着物:絣御召(矢代仁) 帯:掬名古屋帯(帯の岩田 まこと織物

2013年5月 6日 (月)

二十年ぶりの食事会

連休最後の今日、夫の中学高校時代の親友ご夫妻とお食事をすることになりました。新婚時代から20年ほどお正月の3日は我が家に夫の友人数名が集まり旧交を温めるというのが恒例行事になっていましたが、海外勤務や、国内転勤などで一人去り二人去りとなり、そのうち我が家は母たちの介護でそれどころではない状況となり、お正月行事は自然消滅となっていました。

夫も退職し、今日お会いした方も某企業の社長を勇退され、悠々自適の生活に入られたのを機に、心の余裕もできたのでしょう、またまた若き頃の友情復活となったわけです。

横浜駅西口交番前に12時55分、という約束でしたが、さすが企業戦士時代の男たち、ぴっちり遅れることなく集合です。二十年ってはやいですね、ご夫婦とも白髪こそ混じる年代になっていますが、面影は消えず、すぐにお互いに認識できたのですから時の長さを感じさせないほどでした。

一番びっくりされたのは私の肉づきがよくなっていたことでしょうね、なにしろ超やせっぽっちだったころの私しかご存じない方々、そして着物姿・・

ジョイナス地下にある行きつけの関西料理”いらか”でおいしいお食事を頂きながらの楽しく、懐かしい3時間でした。

003001本日のきものは今期はおそらく着納めになる白大島、帯は手織り博多帯。軽くて、気温が上がってくると八寸名古屋帯は重宝します。

着物:白大島 恵織物 帯:手織り博多帯 小林顕子作

2013年5月 4日 (土)

小田原北条五代祭と小田原文学館 その2

文学館まではタクシーで行ったのですが、帰りはゆっくり歩いて小田原城の御感の藤を見ましょう、ということで、方角音痴の姉妹ですが、ぶらぶら散歩。分からなければ聞けばいい・・

文学館の界隈はおそらく昔は名士、富豪の別荘地だったのではないでしょうか、今でも大邸宅が並んでいます。道路も整備されていて気持ちの良い五月の風の中を歩くことができました。街中に入るとそこここに神輿や山車をひっぱる威勢の良い声が聞こえ、北条氏の城下町だった伝統ある町の風情を楽しむことができました。ですが・・

008この藤棚、変でしょう?よ~く見てください。足利の藤のあの見事さを思い出して比較してみてください。どこに藤があるの?というほどひどいのです。おまけに悲し気に揺れている藤の花の色と言ったら、どんよりとした色になっていて人間ならば瀕死の状態。前に立っている”御感の藤”の看板が恥ずかし気にさえ見えます。管理側からいったら大変な費用がかかって予算を組むのが難しいのでしょうが、この藤を毎年観るのを楽しみしてくる人たちのためにも、また藤のためにもなんとかテコ入れしてよみがえらせてほしいと思います。城内の公演はライブなども行われているようで、とてもにぎわっていました。その分、藤の花の貧弱さがよけいに悲しく思えるのですね。

010こちらは浜の近くで松原神社の御神体の前で木遣りを歌っている風景。歌っていたのはかなりの御老人でしたが、声が良くとおり、見事でした。この伝統も若い人に是非伝えていってほしいものです。

5時半からの一族が集まっての恒例の鰻の名店”柏又”でのお食事会は和気あいあいと楽しい会になりました。もちろん鰻は美味、美味。大きな切り身が二枚ものった豪華版、丸ごとトマトのサラダやモツの串焼きもおいしく、楽しい2時間になりました。来年も皆元気でいてまた来られますように・・

続きを読む "小田原北条五代祭と小田原文学館 その2" »

小田原北条五代祭と小田原文学館 その1

昨年は目の手術で行けなかった小田原北条五代祭。3日に武者行列があるのですが混雑を避けて今年は妹と二人で小田原文学館へ。夕方5時半に鰻の名店”柏又”でのお食事会を楽しみにゆっくり文学館とお祭り見物をしてきました。

006
Photo_2文学館の建物は田中光顕(明治時代から昭和時代前期にかけての陸軍軍人、官僚、政治家-日本の歴史に造詣が深かったと言われている)の別邸として建てられたもの。別館の白秋童謡館は純和風建築です。本館には小田原出身の文学者、北村透谷、牧野信一、尾崎一雄、などの作品の紹介、小田原ゆかりの文学者、谷崎潤一郎、三好達治、坂口安吾、北條秀司、岸田国士らの著名作家の活動も紹介しています。

Photo_3別館は白秋童謡館、平成17年に小田原下曽我にあった尾崎邸書斎を移築した建物など、緑豊かな庭園を含めて十分に楽しめる施設でした。小田原市の運営している施設なので入館料も大人250円と格安です。ところどころに椅子やベンチも置いてあり、ゆっくり楽しめる空間でした。

左の白秋童謡碑には”白秋の童謡、赤い鳥小鳥”が刻まれています。

2013年5月 1日 (水)

五代 田畑喜八展へ

少し時間ができたので、ダイレクトメールを頂いて興味を持った田畑喜八展へ。

ずっと以前江戸時代の小袖の復元などの展示で拝見したことがありますが、じっくり拝見するのはほぼ初めてと言ってよいと思います。今回興味をひかれたのは”現在の日本は気候が次第に温暖になり、着るものも変わってきた、着物もそれに対応する必要があるので、5月から10月まで長襦袢を変えることによって着ることができる生地の開発をした”という記事です。実際に拝見するとなんともさらさらとして薄手で気持ちよさそうな生地でした。どちらかと言うと夏の薄物に近い感触です。経糸と緯糸ともに撚りをかけて織ったもので、さらっとしてべとつかない生地合いとか。経糸に撚りをかけるのがとても難しく何度も試行錯誤を重ねてやっと今年出来たものだそうです。”さわやか縮緬”と名がついていました。産地は長浜です。

茶屋辻模様を得意とする田畑家だけあって藍色づかいは独特のもの。ごてごてと装飾をするのではなく、いわば空間をうまく使って模様の美しさを演出する手法というのでしょうか、さっぱりとしたそれでいて深みのある配色と配置は帯や着る人の感性で多種多様に変化する着物といえそうです。

そのうち是非さわやか縮緬で一枚お願いしたいものだと思いました。注文の場合は出来上がるまでに一年ほどかかるということです。

Photo今日の着物はジュサブロー小紋に波に花の模様の唐織名古屋帯、緞子地の帯は滑りやすくかなり締めるのに手間取りました。右側の帯揚げが引っ込みすぎですね。

着物:ジュサブロー 帯:帯の岩田 帯締め:平田組紐

« 2013年4月 | トップページ | 2013年6月 »