2018年4月23日 (月)

近頃の呉服事情

久しぶりに着物仲間三人が横浜高島屋に集合。

それぞれが年齢を重ね、着物購入の意欲も下降線。といっても着物に飽きたわけではありません。そろえるものはだいたいそろったし、そんなに先が長いわけではないからあるものをキチンと手入れして次の世代まで送れるようにきめ細かく呉服に付き合っていこうと思いだしたということです。が、売る方としてはどんどん新しいものを買ってもらわなくては商売としては小さくなってしまう。難しいものですね。

母の時代は呉服全盛の時代でしたが、今のようにどんどん新しいものを買って着捨てていくという風潮はなく、何度も洗い張りをし、場合によっては染変えし、丁寧に着続けた時代でした。正直言ってそういう着物ライフが余り売る方には尊重される時代でなくなってしまいました。着物人口が減り、維持するより新しいものをどんどん買ってもらわなくては業界がやっていけないということにおそらく起因しているのだと思います。

そんなことを考えながらそれでも三人着物を着てお茶を飲み楽しんできました。「ほら、あの着物に今度はあの帯を合せてみたら?」などと知恵を出し合って御洒落を楽しむのは着物でこその楽しみといえます。

今日の着物は一人は秦荘紬に藍型の染帯、もう一人は大島紬に白地の塩瀬の帯、二人とも春らしい装いを楽しんでいました。

今日の着物:連続着用の塩沢紬、春らしいさわやかな色合いなので今頃が一番の出番です。帯は牡丹柄の染帯で

Photo洗面所で品のよい年配の御婦人から「牡丹ですね、素敵ですね、でもお顔の方がもっと綺麗でかわいらしいですね」とびっくりするようなおほめの言葉を頂きました。思わず「褒めていただきありがとうございます」とお礼を言ってしまいました。お世辞100%にしても褒められることはいくつになってもうれしいものです。でも、この年でかわいらしいとは・・

2018年4月16日 (月)

春の古都 その2

奈良から京都に戻って15日は三条にあるホテルで宿泊、銀座で何度かお世話になったホテルのチェーンホテルですが、かなり最近できたものらしくお部屋も真新しく清潔。なによりセキュリティがしっかりしているのが女性三人で泊まるのには安心です。

が、翌朝、朝食を食べにレストランに行ってびっくりしました。バイキング形式の朝食会場は満員、でもなんだかいつもと雰囲気が違うな、と思って見渡すと、なんとなんとジャパニーズは私たち三人だけの完全アウエイ。欧米人の姿も多いのですが、八割がた中国の方々、ここは京都なのだろうか、と思うほどです。錦市場が近いので、ホテルを出てからぶらぶらしてみたのですが、歩いている観光客はほとんどが外国の人ばかりでした。

観光客が多いのは京都の繁栄にはよいのでしょうが、私たち古い日本人ははんなりとしたあの京都の旅が楽しみたい・・

どうしても”老松”の和菓子をお土産に買いたいと友人に言ったら、上七軒にあるから、北野天満宮にお参りしてその帰りに買いましょう、ということで、一路バスで北上、30分以上バスに乗って目的地へ。

Photo上七軒の通りは写真のように石畳、古都の景観を残した町並みは、やっと昔の懐かしい京都に会えたようなうれしい気分になりました。

老松さんのお店もうっかりすると通り過ぎてしまいそうな控えめな感じですが、かといって入りにくさはなく、また来たいという気持ちにさせられる雰囲気のあるお店でした。

お土産の他に三人分桜餅を買って天満宮の境内のお休み処でいただきました。

上品な甘さで優しい味のするとても美味しい桜餅でした。

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何度も京都に来ているのですが、北野天満宮は初めて。

工事中でしたが、とても素晴らしく、またゆっくりお参りに来られたらと思います。

楽しい春の旅行でした。

さあ、秋は何処へ行きましょうか。

今日の着物は:帯は昨日と同じ。着物は昨年単衣から袷に仕立て直した塩沢紬で。軽くて動きやすいきものです。

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そうそう伊と忠さんで作っていただいた綿入りの草履。やはりとても歩きやすい、まったく疲れを感じませんでした。これからも大活躍することでしょう。

2018年4月15日 (日)

春の古都

毎年恒例の仲良し三人組旅行に行ってきました。

今回は大阪に住む友人が幹事役。久しぶりに奈良・京都を三人で楽しみましょう、ということで春の嵐吹く15日に京都駅に集合です。実は私は昨年も呉服関係のツアーで京都に行っているのですが、仲良し三人組でマイペースな旅を楽しむのもまた楽しいものです。

とはいえ15日の朝は大変でした。夜から暴れ出した風雨は暴風雨といってもよく、着物で出かける私としては「さあて、どうやって新幹線の駅まで行こうか」というのが大問題。もっとも困るのは洋服でも同じ、おそらくびしょぬれになってしまうことでしょう。

ということで人に頼むことが大嫌いな私としても背に腹は代えられなく、初めて娘のお婿さんに車を出してくれるようにお願いしました。

お婿さんの親切に甘えたおかげで無事駅に到着。幸い新幹線も定刻通りに発車、名古屋で友人を一人拾って並んで京都までいけました。京都は少々肌寒い薄曇りでしたが、持参した雨コートを着れば丁度よい、といった気温。

京都駅から近鉄にのってこの日は奈良へ。中学時代に大仏は拝顔したきりだったので、今回はポピュラーコースで行きましょうということで、100円で乗れるバスに乗って二月堂と東大寺大仏殿を廻りました。

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二月堂から見た奈良の町、こうしてみると学生時代に来た鄙びた平城京の面影があります。   外国人の観光客が感嘆の声を上げながら写真を取っていました。

帰りに駅まで乗ったタクシーの運転手さんの話によれば、外国人観光客の8割は中国の方々だそうです。

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久しぶりの東大寺、やっぱり大きいですね。このような大建築を聖武天皇の時代に建てたというのがまず、びっくり、もっとも鎌倉時代にいちど焼失して再建されたということですが、クレーンも何もない時代に人力だけでよくぞ建てられたものだと感嘆しきり・・

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大仏殿では珍しく写真撮影OK、鎌倉の大仏同様、やはり”美男におわします”

今日の着物は:春らしく白大島に牡丹に蝶の掬いの帯

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2018年4月12日 (木)

さん喬独演会

2018_4_12三月は色々あったので、落語も随分久しぶりな気がします。

近頃は友人たちとも一緒にならず、つまり、だんだん好みが違ってきたのでしょうね、一人鑑賞が多くなりました。

春休みで孫が常駐し、なんやかやと忙しいうえに入院騒ぎ、少々体力も低下しているということもあってにぎわい座についたころにはぐったりお疲れと言う情けない状態です。

前座さんの噺は夢の中、ごめんなさいね、一生懸命やっていたのは分かっていましたが・・

さてお目当てのさん喬師匠、今日も頑張ってくださいました。「死神」「お菊の皿」「百川」と夏に縁のある噺がつづき、さてこれでお開きかと思った時、「いや前振りに夏の医者をやると書いてしまっていたのですが、楽屋に入って前振り通りにやると重なってしまってまずいことに気づき、急遽演目を変えました。ですが「夏の医者」を聴きたいと思っていらっしゃったお客様がいらっしゃるかもしれないので、もう一席やります」ということで、思いがけず今日は4席聞くことができました。ラッキーでした。

死神」が良かったですね。先日志らく師匠がテレビでちょこっと死神を話していましたが、あんなふうに軽くやってしまうとこの噺は面白くないなあ、と感じていた矢先だったので、今日のさん喬師匠ひときわ輝いて見えました。

夏の先取りという前触れ通り十分に夏を先取りして楽しめました。

今日の着物は:一か月ちょっとしか経っていないのに、久しぶりに着物を着るようなきがします。真冬に着た紬ではもう暑苦しい、今時はさらっとした紬がいい。ということで久しぶりに60年物の母のお下がりの紬を着てみました。洋服じゃこうはいきませんよね。

Photo着物:出自不明の紬、母はもういないので聞くことができません。十日町紬ではないか、と言われたのですが私は?です。

帯:花兎模様の染帯 初めて自分で購入した帯です。

2018年4月 1日 (日)

久しぶりにお買い物

入院騒ぎなどがあったことで、しばらく着物を着ることもなく、ショッピングにも出かけず、でした。15日から友人たちと京都奈良へ一泊旅行をするので、足の疲れにくい綿入りの草履を伊と忠さんに注文してあったのですが、1カ月ぶりにできあがったと連絡いただいたので、引き取りにいってきました。普通は二か月ほどかかるということでしたが、旅行に間に合うようにと便宜を図ってくださいました。この種類の草履は注文生産なので、店頭では手に入らないのです。

Photo_3薄いピンク色の台に紺のシコロの鼻緒。

形は一番歩きやすいと思った小判型にしていただきました。

履いていった草履をはき替えて帰って来たのですが、本当に楽です。もう少し履きなれるとクッションがよく沈むようになりもっと履きやすくなるとのこと。今度の旅行はよく歩く予定なので、大活躍することでしょう。

Photo_4そして入院前に見つけた帯揚げ。薄い緑と紫のツートーンで使い勝手がよさそうです。

生地も丹後ちりめんで厚みもほどよく、お気に入りの帯揚げになりそうです。こちらは内田染織さんの作品。 どちらも良いお買い物ができました。

今日のきものは:牛首紬(先染め)にこでまり模様の染帯

Photoデパートのエスカレーターに乗って降りていたら、後ろから声をかけられました。50代くらいの男性。「あじさいですか?」「いえ、こでまりです。あじさいはちょっと早いですね」と返答しましたら、「そうですよね、すてきだなあとおもったものですから・・」

素敵なのはあなたですよ。男の方で女性の帯の柄に目がいくなんて、センスがありますよ。きっとやさしい殿方なんでしょうね。

2018年3月30日 (金)

あら、満開!

先日の手術の検査結果と抜糸のために病院に行ってきました。

Photo最寄りの駅を降りての道すがら満開の桜を見ることができました。ほんの二週間前の退院直後に思いがけない春の雪、冬に逆戻りだとおもっていたら、今度は急速に春が進み、あっという間に桜が満開・・近頃の日本はどうなっているのでしょうね。三寒四温とはいうけれど、これではちょっとついていくのが大変です。

抜糸をしてもらって、晴れて今日からお風呂のタブに入れます。

二週間もシャワーだけなんていうのは垢抜けしないようでいけません。検査の結果も何の問題もなし。やっと気持ちがすっきりしました。 もしかしたら桜が早く咲いてくれたのは自然のちょっとしたお祝いの気持ちかもしれませんね。

2018年3月21日 (水)

春の雪

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何十年ぶりとかいう春の雪が降りました。それも春分の日。

すっかり春がやってきたと思っている身には寒さがこたえます。それも3、4日家を留守にして外界から遮断された空間の病院と言う場所にいた身にはなんだか別世界に来たような、まだ冬だったのかと錯覚を起させるような出来事でした。なにせ病院はあったかい・・

六人部屋、思ったより広く、なんの不自由もなく過ごせました。他のお部屋のメンバーは腎内科二人、乳腺外科二人、神経内科ひとり、そして私。一番軽いのが私で、後の方はかなりの重症患者らしい。

こちらの病院の入院体制は素晴らしく、看護婦さんの対応がとてもよい。重症者が多いからかもしれませんが、よくお部屋を覗いてくださるし、ナースコールを押せばすぐきてくださる。

手術の翌日隣の患者さんとお話しました。25年前に乳がんを手術、それが再発し頸椎に腫瘍ができ、余命宣告をうけたとのこと。やはり乳がんはあなどれない。

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娘が小学校に入学した記念に植えた八重の椿、母が植えてくれました。三月が満開の時期なのに思いがけない雪で今日はなんだかびっくりしているような気配を感じます。

椿はぽとりと落ちるから武士が嫌っていたようですが、逆にいえばそれだけ潔さを感じる花でもあります。

いつかは突然に私の上にもそんな時がくるのだなあと、病院での出来事や突然の入院で思い知らされました。

まずは何事も先延ばしにしないで、やるべきこと、やっておかなければ後悔するだろうと思うことをしていつかのその時に備えねば、と改めて思った次第です。

2018年3月 7日 (水)

ちょこっと・・

思いがけずちょこっと入院して手術をすることになりました。

今どうということはないのですが、ほっておくとよくないということで、思い切って季節の良いこの時期に入院手術。15日から三泊四日になります。

命に別条はないし、どこと言って具合が悪いわけではないので、ささっと一人で支度し、お見舞いもお断りしての入院です。

といっても入院って、書かなくてはならない書類の多いこと!少々頭が軽くなってきたら、これ絶対に無理になります。自分で全部できるうちがはなですね。

と言うわけで入院前の最後の横浜行き。友人と久しぶりに野田岩で鰻を食べてきました。

ふんわりとして柔らかくおいしかった~

高島屋の8階であった催しを見ていたら、欲しいと思っていた帯揚げがお安くなって出ていました。自分へのお見舞いに一枚ゲット!

今日の着物は:

Photo_2三月に入ったので、少しずつ着物も春らしく。

帯締め、帯揚げ、そして帯で春らしい匂いを・・

きもの:琉球紬(大城哲作)琉球藍を使った綺麗な藍色の着物です

帯:薄水色地に唐花模様の染帯(矢代仁)

帯締め:笹波組(平田竹峯作)

2018年3月 2日 (金)

柳家三三独演会 at にぎわい座

2018_3おととしの7月以来の三三独演会、楽しんできました。

左のポスターのおしゃれ感覚から察せられるように、会そのものが楽しく現代的。ちょっと聴かない間に三三落語は進化していました。以前から若いのにうまい人だと思ってはいましたが、そのうまさに磨きがかかり、なにかから解き放たれたかのような、奔放ともいえる言葉の豊富さ。磨かれた言葉の数々が雨あられのように降ってきます。20180302211334

古典落語の「たいこ腹」もかなり言葉の遊びが増えており、今ままで聴いたなかでも個性的、

豚ざんまいシリーズの作者”白鳥が飛来”して、本家本元の豚次伝第一話を披露、訥々とした噺ぶりもこれもまたありかな、という目からうろこの会でした。

最後に再び白鳥作の新作「腹ペコ奇談」も三三らしく、言葉が良く練られており、なかなか楽しいお話になっていました。

たまには正統派とはいえない、チャレンジ落語もいいかな、というのが今回の感想。

今日のきものは:三月になったので、春の匂いをと思い、千鳥が淵の桜を描いた染帯に先日届いた桜の季節にとお願いした帯締めで。きものは今年お気に入りの十日町紬で。

Photo写真では帯が白く映りすぎですが、実際はもう少し、しっくりと着物に合っています。

きもの:十日町結城紬

帯:千鳥が淵の桜模様の染帯(高木空木作)

帯締め:笹波組(平田竹峯作)

2018年2月15日 (木)

二月大歌舞伎 ー 高麗屋三代襲名披露

Photo_2高麗屋三代襲名披露歌舞伎に行ってまいりました。本当は午後の部に行きたかったのですが、席が取れず、午前の部になりましたが、これがまたなかなかよく十分に堪能してきました。

久しぶりに春の兆しが見える暖かい日。ほんの二週間前に大雪が降ったとは思えません。三寒四温といいますから、これからも寒暖を繰り返しながら本物の春がやってくることでしょう。着物を着て銀座を歩いていても気分が華やぐ日でした。

演目は左のポスターにあるとおり、四つですが、印象に残ったのは新幸四郎の一條大蔵卿役、そして成田屋の家芸、歌舞伎十八番の“暫”の華やかなにぎわいぶり、そして実はあまり期待していなかった”井伊大老”。

一條大蔵卿の新幸四郎、呆けた役の呆けっぷりと理性がちらっと垣間見える瞬間の変り目が良かった。文句なく役者としての力量を伸ばしていらっしゃることがわかりました。  

そしてお祝いとして演じられた成田屋のお家芸の暫は初めて拝見しましたが、単純な勧善懲悪劇がご祝儀の舞台にはぴったりで、海老蔵の大掛かりな衣裳もこれまた必見、なんと総重量60kgとか、こんなに体力のいる仕事では役者は身体の管理が大切なことがよくわかりました。楽しいお芝居でした。

そして”井伊大老”、桜田門外の変の前日の様子を描いたものですが、吉右衛門の堂々とした直弼と雀右衛門の愛妾のからみがよく、ほろりとさせられる一場面でした。

少々チケット代がお高いのが難点ですが、年に二三度は歌舞伎を堪能したいですね。次は何にしましょうか。

今日の着物は:歌舞伎見物はちょっと華やかにと心がけています。

Photo_3きもの:小倉貞右作(東京手描友禅)

山王日枝神社の祭りを描いた華やかさのある付下げです

帯:若松文袋帯(帯の岩田)

帯締:笹波組(平田武作)

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