2017年10月11日 (水)

20年の感謝をこめて

横浜高島屋呉服部で20年間お世話になった社員さんが今年11月いっぱいで完全リタイアされることになりました。まだまだお元気で私たち着物仲間としてはもう5年くらいは頑張っていただきたいと思っていたのですが、会社の規定ではしかたありません。

「初めは着物に着られていたけれど本当に綺麗にきられるようになりましたね」と最近はおほめいただくことが多く、また着物をきていくと必ず着姿を褒めてくださると言う女性としては本当にうれしい気持ちにさせてくださる方でした。

有給休暇がたっぷり残っていて、11月末までの出社数は20日を切ったということで、タイミングが合わなくてお会いできないといけないと思い出社を確認してまず私がご挨拶に伺いました。喜んでくださり本当に良かったです。最後の日には必ずお見送りに伺いますね。

今日のきものは:涼しくなったと思ったらまた暑さがぶり返した日でしたので、長襦袢は単衣の楊柳のまま、さらっと着られる十日町紬で。母から譲られたものなので本当に十日町なのかはわかりません。なにせ60年ものですから・・

Photoきもの:十日町紬とみられるもの 母からのお下がり

帯:椿模様の染帯 これも母からのお下がりです。

2017年10月 4日 (水)

コートの採寸に

長い間ほっておいたコート用に購入した生地、そろそろ今年の秋から着ようかと思い、仕立てを頼むにあたり改めて採寸していただきに呉服部に出かけてきました。

私の着物の仕立てを何時もお願いしているのは初代横浜マイスターの和裁士鈴木先生。以前はときどき仕立てのトラブルがあったのですが、鈴木先生にお願いするようになってからさすが、一度も不具合はありません。

今回はコート地ではなく、着尺地でのお仕立てです。漆入りのなかなかしゃれた感覚の生地。一ヵ月後の出来上がりが楽しみです。

2017_10_4_002今日の着物は:初秋にぴったりの着物はやはり大島紬かおめしというところですが、今回は秋らしい色合いの泥大島で、さらっとしていて気持ちよく着られました。

きもの:泥大島(王朝の調べ 秋場)

帯:日月紋袋帯 (千切屋)

全体に重い色合いなので、帯揚げと帯締めで色を引き、印象を軽くしてみました

2017年10月 1日 (日)

小倉貞右・隆 親子展ー古典とモダンの融合

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毎年この季節恒例の貞右さんと隆さんお二人の親子展、貞右さんから直筆のご招待状をいただき着物仲間三人で拝見しに伺いました。

今年のテーマのひとつは”ひさご”、はがきの写真はその代表的な作品。

落ちついたアイボリー地に糊で地模様を表したとても手の込んだ作品、蒔糊とは違う工房独特の手法だそうですが、敢えていえば”糊吹雪”と言ったらいいのかも、とおっしゃっていました。着てみたい作品ですが、私の財力ではちょっと手が届きません。

モダンの中に古典の味を添え、特に地色に若々しさを表現した隆さん、深い地色と京友禅の流れを東京友禅の中に融合させ、あくまでも着る人を美しく見せる作品にこだわる貞右さん、今年も良いものを沢山拝見させていただきました。

隆さんの作品の付下げに使われていたブルー地、あの色で手描き友禅の小紋を作ったら素敵だろうな、とまたおしゃれ欲望を満開にさせた私でした。

今日のきものは:

小倉先生の展示会なので三人とも先生の作品を着て行きました。

10月1日の上、なんとか袷を着ても大丈夫な気温でしたので、先生には初お目見えの祭り模様の付下げ、「その着物はHさんにぴったりですね」とおほめいただき安心しました。

Photo前回着た時は帯締めが写真を取ると少しきつめに見えましたので、今回は少し地味目に柔らかい感じにしてみました。伊勢組です。

地色は先生によると香色の系統だそうです。

山王日枝神社の祭礼を描いた祭り模様です。日本の祭りをテーマに作品を描かれたものの一つです。

きもの:東京手描友禅付下(小倉貞右作)

帯:白地雲模様の袋帯(帯の岩田 勝山織物)

2017年9月12日 (火)

廓三景  柳家さん喬独演会

2017_9好きな落語家の中でも今特にはまっているのが、さん喬師匠、恋話と廓話はぜったいに聴き逃せない。欠点はぜったいに手を抜かないから終演が遅くなる。故に独演会のある日は深夜の帰宅を覚悟して出かけます。

今回は初めて聴く「五人廻し」に「明烏」「お直し」の三席。余り長い噺はないので遅くなると言っても知れていると思い、その点は安心して出かけました。(珍しく9時半の終演、早い方です)

ちょっと滑稽な「五人廻し」、熱演でした。五人のお客をしっかりと描き分ける力量は凄い、うぶな若旦那の吉原初体験の明烏、おかしみの中に夫婦の情愛をのぞかせるお直しと廓三景をじっくり堪能できました。次の独演会は12月、やっぱり聴き逃せませんね。

今日のきものは: いよいよ本格的な秋単衣の季節になりました。数年前までは噺家は9月いっぱいくらいは絽の着物に絽の羽織が多かったのですが、今年は米團冶、さん喬のおふたりとも単衣もの、かくて私も本格的に秋の単衣になりました。

Photoきもの:単衣紬(おそらく塩沢 母のお下がりなのではっきり分かりません)

帯:紙布藍染めの名古屋帯 これも母のおさがりです。

 

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2017年9月 8日 (金)

上方落語の魅力- 桂米團冶独演会

2017_9にぎわい座での独演会は毎年秋に一度。今年で私は三度目ですが、楽しみにしている会のひとつです。

上方落語はとにかく楽しい、演者によっては少々灰汁が強いかなとおもうこともありますが、米團冶師匠は品の良さが灰汁を薄めているようです。

一年振りに見る師匠はおやっというほど外見が米朝さんににてきましたね。そして芸も進歩なさっているようで、おととしより去年、去年より、今年と落語としての味が深まってきているように思います。

 

Photo_3演目は左のとおりですが、いつもは聴けない関西の落語が聴けるのが楽しみの一つです。軽業は中身がない騒がしいだけの噺ですが、と振りがあったのですが、なるほどなるほど、でもにぎやかなお囃子の中での噺ぶりはさすが上方と思わせる楽しいもの、

替り目は以前だれかで聴いたとことがあるのですが米團冶さんのは酔いっぷりが見事でこれまた楽しい演じぶり。猫の忠信にいたってはもう抱腹絶倒!大熱演でした。

来年のご来館が楽しみです。

今日のきものは:Photo_5

これくらいの気温ならば単衣で大丈夫だろうと薄物を卒業して今秋初めての単衣ものを着て行きました。ただし見えないところはまだ夏仕様、足袋は麻、長襦袢も麻、半襟はまだ絽、帯揚げも絽という塩梅です。これくらいの融通をきかせないと当世なかなか着物はきられませんものね。

きもの:白鷹御召 帯:献上博多帯(井上久人作)

2017年9月 3日 (日)

五十日振りの着物

7月15日以来の着物着用です。

こんなことはここ10年ほどは全くなかったこと、それほど私にとっては異常なことなのです。

暑くても、身体が辛くても、精神的に落ち込んでいたとしても「なにくそがんばるぞ!ここで老けこんではなるものか」と昨年までは自分を叱咤してきました。ところが今年は全く気力なしで、叱咤激励する気も起きないのです。

昨日意を決して着物仲間に電話し、きものの悉皆を頼むのを口実に横浜まで出かける約束をしました。少し暑さが遠のいたせいもあり、なんとか仕事をこなすことができました。やはり外にでることは気分転換に良いですね。特に私にとっては家にこもっているのが一番のストレスのたまる要素になっているような気がします。

この秋はどうか良いことがいっぱいありますように・・

Photo今日のきものは:

まだまだ暑いので薄物が手放せません。

おなじみの夏琉球に紗の名古屋帯、羅は盛夏のもので9月になったら暑くても締めませんが、紗は半ばころまでは大丈夫なようです。

近頃は9月半ばまでは気温によって薄物を着たり、単衣を着たりとかなり融通を効かせて暑さに負けないような工夫をするのが良いようです。

2017年8月29日 (火)

1年振りの帰省

今年の夏はとりわけ気候が不順で、べっとりとした暑さ。

体調は史上最悪、八月などは何処へもいかず趣味の着物も着ず、おまけに精神状態も悪く、家でもんもんと過ごしました。が、恒例のお墓参りと温泉行きは実行せねばなりません。

2017_8_27重い腰を上げ、27日から29日まで妹と孫の三人で出かけてきました。ところが待っていたように帰省先も温泉地も穏やかな暑さになり、楽に過ごすことができ、ラッキーでした。

一年間の無沙汰を詫び、お墓の周りの草をとり、綺麗に石柱を磨き、お花を生けてすっきりとお墓周りを整えました。

夜は名古屋のホテルに妹の幼なじみが4人も集まり、昔話に花が咲きました。50年振りの人もいたほど久しぶりの再会でした。

翌、28日は修善寺温泉へ。毎年恒例の湯回廊菊屋でのお楽しみです。横浜から息子も合流しての楽しい湯治になりました。こちらはもう7回目の宿泊になるので、館内も慣れたもの、和気あいあいと温泉を楽しむことができました。来年も元気で来られるといいなとおもっています。(27日、長養寺境内にて)

2017年7月15日 (土)

七月の落語

2017_7_15マンネリ化を恐れてここ半年ばかりは一か月に一度にした落語鑑賞、それでも選択しかねて二度になることもあります。結局好きなんでしょうね。

今月はご贔屓の一人、柳家権太楼、暑い中を(14:00開演なので)出かけてきました。友人の中には夜の開演を嫌がる人もいますが、私は夕食などのすべての支度を終えて気分を軽くして出かける方が本当は好きなのですが、演者の都合もあるでしょうからしかたありません。

予定では「らくだ」と「黄金の大黒」の二席の予定だったようですが、ただいま練習中で来年早々の完成を目指している「薮入り」をやってみたいということで三席になりました。ほぼ八分どうりの出来になっているのではと思いながら聴いていたのですが、あとちょっとのエッセンスが足りないかな、と言う印象。なんども試行錯誤を重ねて行くうちに落語も完成度を増していくものだからネタおろしとしては上々でしょうね。

いつもの定席「きの11番」、演者からはおそらく丸見えの席、暑さと忙しさの疲労が出てついつい熱演中の「らくだ」で居眠りが出ました。師匠の出来が悪かったのではありません。すごい熱演だな、と思いつつどうしても目が開けられなかった私の身体の方が悪かったのです。ごめんなさい!


今日のきものは:

暑い日でしたが、気を引き締めてきもので出かけました。着てしまえばこちらのもの、それほどではありません。

Photo歌舞伎見物の翌日にも着たので、今期二度目の明石縮。柔らかい雰囲気の着物で私好みです。絹ですが、麻の着物のように涼しい。

きもの:明石縮

帯:櫛織り 櫛織りは本来は単衣のものですが、目が粗く透け感があるので、薄物に合わせています。帯芯を同色の紺にすると雰囲気が変わって本来の単衣向きになると思います。この着物に合う帯がないので当分はこのまま真夏仕様で。

帯締め:蘭菊(平田組紐)

2017年7月10日 (月)

七月大歌舞伎 夜の部

2017_7_10_4大阪と名古屋の友人と半年前に約束して、チケットを取っておいた七月大歌舞伎。六月の発売日にはまだ麻央さんが存命でこんなに大騒ぎになると思っていなかったのが、海老蔵さん長男のかんかんちゃんがママの麻央さんが亡くなったのにもめげず史上最年少で宙乗りをするというニュースで即、チケットは完売になり、歌舞伎座は大盛況。いつもより若い世代がめだちました。

正直若いころの海老蔵さんは余り好きではありませんでした。ご自分でも「以前は他人のことなど考えたことがなかった・・」とおっしゃっていましたが、麻央さんと結婚されてからは人が変わったように人間として役者としての幅が広がり、演技にも幅が出てきたように感じていました。私と同病の麻央さんのブログを今年になってから時々拝見していましたので、亡くなった後は海老蔵さんのブログを拝見して彼の激しい喪失感や幼いお子様二人がけなげに母親の不在に耐えている様子をつぶさに見てきました。最愛の人をもう身近に見られないあの喪失感ほど辛いものはありません。悲しさと言う言葉では言い表せないもっともっと大きなもの・・毎朝襲い来るあの何とも言えない心の不安、喪失感を克服するのにはおそらくまだまだ長い年月が必要でしょう。

舞台はやはり素晴らしいものでした。かわいらしいかんかんをご自分の傍らに引きよせたときの優しい慈愛に満ちた父親のまなざしは決して彼が若いころには見せたことのないものでした。

型を決める荒事は良いけれど人情の機微を表現しないといけない世話ものはまだまだ、と言われていた市川海老蔵も麻央さんによって一皮も二皮も剥けた役者に成長したと思います。

天国の麻央さん、成田屋の女将としての役割をあなたは十分に成し遂げられましたよ。やはり、人生で一番大切な物は本物の愛ですね。

友人二人も「本当に感激した、上京してよかった」といって満足して帰って行きました。

今日のきものは:

Photoすっきりとした仙人草の模様と地色の青紫が大好きな絽の付下げ。友人たちに「涼し気に着ているわね」とほめていただきました。

加賀友禅と京友禅の両方を学ばれた吉田喜八郎さんの作品です。したがって金銀は使われておりません。

帯は絽綴れ 細見華岳さんの作品です。

帯締め:大小杉(平田組紐)

2017年7月 1日 (土)

快気祝い

友人が辛い治療と不安を乗り越え、10年再発なく過ごせ大病から卒業のお墨付きを頂きました。病名は本人の希望により伏せますが、早期発見がなかなか難しい病で、知り合いの中では10年再発なく無事生還した人は初めてです。早期発見と同種の病の中では比較的おとなしい型だったのが幸いしたと思います。

ということで大変おめでたい出来事。二人でささやかなお祝いをすることになりました。

もちろん、招待主は今回は私。”日本料理、甍”での夕食会です。せっかくのお祝いの会だから今日は楽しいお話だけにしましょうと、終始きものやおしゃれの話に徹しました。

もちろん二人とも着物姿での出席。夏の風情を感じるお料理の数々をおいしく頂きました

今日のきものは:7月に入ったので着物も薄物になります。ここ二、三年お気に入りの夏琉球を今夏の最初の着物にしました。

Photo光の加減でとても映りが悪かったのが残念。

着物は母の残してくれたものです。

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